若者たちの居場所

ISBN

4-89380-187-2
978-4-89380-187-6

菅 龍一

定価

2,000円
初版
1995年11月30日
青年たちは今、何を悩み、どこに自分たちの居場所=アイデンティティを見出そうとしているのか。
大学ゼミでの学生たちとの創作活動を通して、浮かび上がる現代の青年たちの隠された悩み、素直な思いに深く鋭く迫る。

【目次】より

「教育学」から「現代青年論」へ
──原体験のない若者たち──
1教師志望の学生のために
2現代青年論の誕生
3山田太一作品に取り組む
4『箱男』の即興劇

『篭の中のカブト虫』
──商品に囲まれ、商品化される青年たち──
1消費のターゲットとしての青年
2トポロジー的存在論
3父と娘の会話
4大学生批判の視点

『冬が来る前に』
──高校演劇部での原体験──
1大地発電プロジェクト
2受験勉強かクラブ活動か
3演劇の楽しさと心の闇
4劇中劇を使って

私の思春期・青年期
──演劇との出会いを中心に──
1紙芝居を演じる
2オマエには劇作家の才能がある
3学校演劇の座付作者
4青年期のおわり

定時制高校生の世界
──モラトリアムを奪われた若者から、
   モラトリアムを楽しむ若者への変遷──
1孤独と絶望の詩
2卒業公演として取り上げたい
3ボクは定時制の出身です
4現代の定時制高校生

『ある女』
──青年期は、人生の劇的な時節である──
1別役実『受付』に学ぶ
2"人間って悲しい"
3音声・身ぶり・感情表現の評価
4常識の否定と新たな価値の発見
5青年期と演劇の類似性

筑波学園都市、研究者の自殺
──つながりを求めての挫折──
1実年期の自殺
2時代の相の変化と自己崩壊
3働き始めた青年たち
4死者の遺した志

『ダイビング・ドリーム』と『黒い軌線』
──実年期男性と青年期女性の心中──
1岡田由希子シンドローム
2改訂版『ダイビング・ドリーム』
3中年男とアイドルの出会い
4あと追い心中のプロセス
5学生たちの自殺観
6推理劇、分析劇の手法
7専務と予備校生の出会い
8トンネルの哲学

『おらだの村』
──農村青年の悩みと生き甲斐──
1方言の芝居
2秋祭りの復活
3花嫁候補たち
4都会的ヒューマニズムの否定

10『心のかけら』
──アメリカの大学・日本校の崩壊と苦悩する学生たち──
1思い出せない作者の顔
2日本校の崩壊
3カウンセラーとの恋
4副学長との会話

11 1993年度の「現代青年論」
──授業の中で提出された全作品──
1三日間、八編の上演
2美容整形を題材に
3メルヘン好きの大学生たち
4政治のパロディ化
5長電話好きの若者たち
6父親の居場所
7心族会議
8原体験を求める学生たち
9上演されなかった作品群

12 親と子の危機
──抹殺衝動を乗り越えて──
1仮面の家
2人間連帯の最後の証し
3禅僧であった父との葛藤
4もう一人の自分を殺した
5光を投げたのは父だった
6親世代と子世代の連帯
  
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