ドラマと学びの場
朗読:声を奏でる
  ──こえことばの表現技法

ISBN

978-4-89380-470-9
著者
さき えつや

定価

2,000円
初版
2017年11月15日

あなたの人生経験が語る世界を豊かにする──自己表現としての〈あなたにしかできない朗読〉へのアプローチ。声の出し方、表現の深め方、発表に向けてのこころえまで。実践的なレッスン集。

自分でお話は作れなくとも、人の作ったものでも、それを借りて話すと、自分の話したいことがその中に盛り込まれていく。自分の人生の体験が流れ込む。そのようにお話しを話してもいいのではないでしょうか。

自分の自己表現の、一つの手段として、絵を描くように、音楽を演奏するように、お話しを語る。
語られたものは、わたしにしかできないもの、になります。
「まえがきに」より


目次より

まえがきに

A 息から声、声から発音(おと)まで
I 息から声へ──毎回やりたいウォーミングアップ
(1)まずは身体をあたためて
(2)息の出し入れ気にしてみましょう
(3)こえだしはハミングから
(4)こえおとを拡げる
(5)発音ブラッシュアップ
II 遊びの感覚で
(1)初めは遊びでチヨコレイト
(2)息一杯にこえを出す
(3)こえおと遊び
III わたしの日本語音づくり
(1)ウ・イの特訓早いうち
(2)はなのくも
(3)あいうえおうた
(4)ういろううりの口上
(5)一つ童謡をうたってみる
IV 相手がいるのを忘れちゃならない──はなしかけ
(1)あなたの声はどこへ行った?
(2)相手にきちんと声をかける
(3)みんなに声がとどく

B ことばときもち
I 気持ちの集中──5つのエリア
(1)5つのエリアとは?
(2)5つのエリア 読むとき役立てて
1事実 2生理感覚 3イメージ 4感情 5行動(アクション)
II はじめのはじめ──思い切って大胆に
(0)「イメージは外に作る」を基本に
(1) 一気に読んでみる
(2) 気持ちの変わり目、場面は移る

C 物語を読む 話し手(語る人)になってみてわかること
I 一つの作品と取り組む
(0)一作品に取り組む
【朗読レッスン】芥川龍之介「蜘蛛の糸」
II 場面の細かい取り組み
(1) もの語り
(2) 出だし
【朗読レッスン】モンゴル民話「スーホの白い馬」
(3) 一人の視点を追っていく
A 人物の気持ちを追う
【朗読レッスン】志賀直哉「菜の花と小娘」
【チャレンジ】藤沢周平「寒いあかり」
B 人物のアクションを追う
【朗読レッスン】幸田文「なた」
【チャレンジ】宮部みゆき「紙吹雪」
(4)別な人物が現れる
【チャレンジ】宮本研「花いちもんめ」
(5)ことが起きる(事件・出来事)
【朗読レッスン】三浦哲郎「ふなうた」
(6)関係は?
【朗読レッスン】江國香織「冬の日、防衛庁にて」
(7)しめ 結末
【チャレンジ】「蜘蛛の糸」「菜の花と小娘」「冬の日・防衛庁にて」最後の部分を読む

D 話す人∽話すもの(作品)∽聞く人
I 聞き手がいるから
(1)一人一人に聞いてもらう
(2)みんなに聞いてもらう
(3)エネルギーが要ります
II 話し手のほうで
(1)はなし出し
(2)はなし出す時自分の気持ちを高めておいて
(3)おはなしの山がいるの?
(4)はなしのお終い
III 語り手の息と文の息
(1)話す人のイメージが止まっていまっていませんか?
(2)話す人の気持ちは動いていますか?

E 突然ですが声にトラブル それでもやりたい
I 声つくり たっぷり声が出せるまで
(1)声が、か細くしか出ない
(2)尻切れではどうも
(3)息ばかりでも
(4)甲高い声はいただけない
(5)作り声とは思ってなくても
II どこで止めていいかわからない(ブレーキ利かず)
(1)息一杯に続けられてはたまらない
(2)どこで区切る
(3)句・文節を意識して
(4)イメージ一応作っているけれど
(5)時間列を空間構成にすることも
III うたうという現象 聞き苦しい? 本人はきもちいい?
IV この一音が苦手
(1)苦手な一音
【朗読レッスン】有島武郎「一房の葡萄」
V 方言・訛りを直したい

F もっと的確に、生き生きと
I こんなことも気に留めておいて
(1)一音一拍、過去のもの?
(2)日本語はお終いが大事
(3)文体(文章のクセ・特徴)どこまで生かせる?
(4)文章の新しい表現に語り手が初めて出会った時、どうしよう?
(5)付けたりと思う最後の部分を取り込む(ムダはない)
(6)話す台本を作る
(7)文章(作品・話し)を借りて自分を表現する
(8)なげき節はいただけない
II 詩を読む─解釈通りじゃつまらない
【練習1】北原白秋「落葉松」
【練習2】宮沢賢治「春と修羅」

G 練習と発表
I 練習のすすめ方
(1)一遍にはできない 少しずつ育てる、それが練習?
(2)おおまかに・こまかに、組み合わせて
(3)どこまでやったらいいの?
II 発表のとき
(1)発表するとき
(2)よいグループ作り
(3)作品選びはけっこう大変
(4)ひとり立ち

H 朗読言葉の整理
I 定まっていない言葉
II 「朗読」という言葉から
III 朗読にまつわるコトバ

あとがき

参考文献
著者紹介

さき えつや

1933年東京に生まれる。
舞台芸術学院、東京都立大学修士課程(仏文学専攻)修了。
ぶどうの会養成所、変身を経て、竹内演劇研究所等で、
舞台演出、俳優教育に携わる。
現在、こえことばの会主宰。
劇作 ミュージカル「長崎感傷散歩」「希臘昔日女権魁」
著作 『こえことばのレッスン』シリーズ全3巻・別巻(晩成書房)、
からだのドラマレッスン』0・1(晩成書房)

  
[お問い合わせ先]
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シエルブルー猿楽町ビル1F
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