中学校創作脚本集 1

ISBN

4-89380-238-0
978-4-89380-238-5

横浜北部中学校演劇教育研究会

定価

1,800円
初版
2000年6月30日
青空へつづる手紙
 横浜市立青葉台中学校演劇部
約45分
10名
心臓病、白血病、骨肉腫など、難病をかかえる子どもたちの病室が舞台。生きるために片足切断をせまられ、迷う歩。限られた自分の「生」を見つめる翼。……「いのち」をめぐって、子どもたちのさまざまなドラマが展開する。
テーマは重いが、随所にユーモラスなやりとりもあり、楽しめる。

クリスマスの贈りもの
 渡部園美
約45分
20名
『クリスマス・キャロル』の劇で、演劇部の初の関東大会出場が決定。だがスクルージ役が骨折し、代役の演技に、演出の彩は不満を隠せない。さらに恒例のクリスマス病院訪問公演を中止にしようと言いだし、部員たちとも気まずくなる。その夜、彩のもとに現れた天使は、彩に、過去・現在・未来を見せてやるという……。
遊びの要素もふんだんで、楽しみながら考えさせる作品になっている。

天国まで−アナタ、愛のために死ねますか
 梨澤慧以子
約50分
15名
あこがれの竹内君に告白した千絵だが、直後、交通事故で天国に。それが手違いだとわかって、死神と交渉の末、元に戻るまで他人の身体を借りることになる。だが必死に「私は千絵」とアピールしても、竹内君は気づかない。やがて時間が来て……。
コメディタッチで展開するテンポのいい作品。中学生作品。

わんつーすりーふぉーふぁいぶしっくすせぶんえいとないん…天、使!?
 森清健太/稲葉倫也 補筆
約30分
11名
人間には必ず天使がついている。ところがうっかり天使がつくのをさぼったために、一人の男の運命が変わってしまった。上司(先輩天使)に叱られ、修復を試みる天使。そしてその男は実は……。たっぷり笑わせてくれて、最後はほのぼのタッチ。
クラスで上演してもおおいに受けるだろう。高校生作品に顧問が補筆。

『モモふたたび』(ミヒャエル・エンデ『モモ』より)
 大庭陽一郎
約60分
15名
千穂は、先生にいじめを知らせようとして、異空間に迷いこんでしまう。そこで出会ったのは『モモ』(エンデ作)に登場する、あのモモだった。モモは言う、「戦いはまだ続いているの」。モモと行動をともにするうち、千穂は……。
携帯電話を小道具に、切れ味のいい現代風刺となった作品。

風の森に哀しみは眠る
 かめおか ゆみこ
約50分
19名
親友のはずのかおるとさやかは、まきが転入して以来、なぜか疎遠になってしまった。実はまきの正体はすきま風(風の精)で、人間の存在を快く思わず、あるたくらみを仕掛けたのだ。一方、それを阻止しようとする疾風。連れ去られたさやかを追って、風の森にたどり着いたかおるだが……。
風の精の集団演技がみどころ。

小犬の贈り物
 小林 靖
約20分
8名
遅刻してきた直哉は、腕に拾った小犬を抱いていた。小犬の世話にかまけ、掃除をさぼる直哉。しかも小犬を独り占めしようとするので、みんなの不満はつのる一方。そんな時、小犬が行方不明になってしまう。実際の日常にありそうな出来事を、ていねいに描いた作品。
次の『電話』とともに、特殊学級の担任が、生徒のために書き下ろした作品。

電話
 小林 靖
約15分
7名
受験勉強のため、一人で暮らしている良子は、母の突然の死のあと、弟や妹からかかってくる電話に心配し、進路を変えようか迷う。だが、全力で臨んだ試験に失敗した時、良子は決意する……。
電話のやりとりを通して、情感の漂う作品。
  
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