中学校創作脚本集 2018
ISBN
978-4-89380-484-6

中学校創作脚本集2018編集委員会

定価

2,000円

初版

2018年8月10日
つばさ 〜創作にチャレンジしたい人たちのための創作劇〜
斉藤俊雄
『つばさ』は、「創作にチャレンジしたい人たちのための創作劇」です。「創作をしてみたい。けど、ゼロから創作するのはあまりにもハードルが高い」という中学生、または中学生に関わる演劇関係者の方が、創作に向かって翼を羽ばたかせ、飛び立つための作品として創作しました。主人公のヒーロー、セリナズーナはアンネ・フランクのように13歳の誕生日に父から日記をプレゼントされます。『つばさ』は、その日記とともに進行する物語です。また、『つばさ』は笑い、笑いで創られた物語です。と同時に、笑っている自分を見つめる物語でもあります。ヒーロー物語の形をとりながら、ヒーローのあり方について問いかける物語でもあります。そして、『つばさ』は創作にチャレンジする中学生に向けての応援歌です。

ちょっと、メロス
平成二十九年度 茅ケ崎中学校演劇部
誰もが知ってる太宰治の名作「走れメロス」。サキ中演劇部は今年の大会で「走れメロス」の舞台に挑戦するが、徐々に部員たちの関係に亀裂が入っていく。果たして、無事に大会を迎えることができるのか? 弱さと強さ、若さと愚かさをもった部員たちが集う、とある演劇部の水曜日。

10years 〜希望の桜〜
仲間 創
震災で家族を失った夕見子は、病院で看護師の見習いをしている。患者には言葉を発せず、携帯電話に没頭する菜見子がいる。周囲の人々との交流を通じて、ふたりはそれぞれの心を開いていく。そして携帯やスマホに没頭する現代人へのメッセージが語られる。

新作ちゃんめぐ浪忍記
遠藤琴和横浜市立日吉台西中学校演劇部
めぐみは憧れの浪曲師、京山萬月に弟子入りする。ところが認めてもらうには花形演芸会で新作を歌い、優勝しなければならない。めぐみは認めてもらう事ができるのか。

法廷劇「償(つぐな)い」
山城美香
裁判は、人間がもつ感情・理性・知恵のドラマです。
その人がもつコンプレックスや手放せない執着、その時の感情、親子関係・家族関係のあり方が垣間見える世界です。
それらが、日々、生きていく中で偶然が重なり、ある日突然、刑事裁判の当事者としていつの間にか、巻き込まれていきます。

この法廷劇「償い」を通して、裁判制度のしくみをつかむだけでなく、罪を裁くとは、そして、罪を償うとはどういうことなのか考える機会となるでしょう。
ナビゲーターとともに傍聴(観劇)していたはずが、いつの間にか自分の事として悩み、自身にとうえいさせられていくことを期待します。

ゲキブの扉
柴田静香
3年生3人だけの演劇部。
部員が5人にならないと廃部になってしまう。
新しい部員をいれようとする3人だが、なかなかうまくいかない。
そこで演劇部に代々伝わる、都市伝説をおもい出す。
演劇部の部室の奥には決してあかない「開かずの間」がある。
この扉をあけると演劇部の伝説がある……。
うにかして扉をあけようとする3人。
そこに入部希望者だという転校生があらわれて……。

そこまでも
見山紗月/補筆・横浜市立大綱中学校演劇部
梅の香りにのって、件(くだん)が毎年道真(みちざね)の屋敷に現れる。屋敷には蛙・狐・烏もいて、楽しい宴もあるが長くは続かない。さて、道真の運命は……菅原道真の飛び梅伝説に着想を得た作品。

冥界のスープ
西沢遥輝/補筆・横浜市立大綱中学校演劇部
死んだ後、サチコがたどり着いたのは冥界。そこでは、おばあさんが「生きていたころのことを全て忘れる」という不思議なスープを配っていた。
さて、サチコはスープを飲むか? 飲まないのか? 来世は幸福に生まれるのか? 不幸に生まれるのか?

『アイ』
三浦結衣/潤色・ちかだよしあき
いじめにひどく苦しみ、不登校になった萌の元に、1人の女の子がやってくる。名前は「アイ」。底抜けに明るい性格で、萌を、いじめを苦にした自殺未遂から救おうとするが、萌の心は迷い続ける。
ある日、萌の担任の立花先生が家にやってくる。立花先生の過去の話と、アイの語りかけにより、徐々に心を開いていく萌。そしてついに、いじめを乗り越えて今を生き抜く覚悟をしたのを見届け、アイは姿を消す。アイが本当に伝えたかったことは……。
迷いながら生きる人たちに、エールを送る作品です。

嘘象物語
鈴木仁志
英語の教科書に載っている、戦時中の東京・上野動物園の3匹の象の話
演劇部の部長の鈴木が、その話の世界へ入り、3匹の象(トンキー・ワンリー・ジョン)やライオンと会い、さまざまな体験をする。

  
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