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北野茨さんは今や高校演劇を代表する作家に成長した.登校拒否の生徒を、学校の便所に棲む神がクラスの番長たちから救うという、人間愛、正義感に満ちた十数年前の作品から北野茨さんに注目してきたが、気迫に満ちた姿勢、演劇創造に向かっていく情熱的な作風は少しも変らない。この脚本集の出版が、これからさらに大きく自分の世界を飛躍させていくことになるだろう。
これからの北野茨の活躍を期待したい。 |
全国高等学校演劇協議会名誉会長
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内木文英
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私が脚色させて頂いた青年劇場の『こんにちはかぐや姫』は北野茨さんの『こんにちはかぐや姫』と『家族』とを合体させて一つの作品にまとめたものである。初演以来、現在も地方公演がつづいている。来年、2001年も続くというから、300ステージ近くになり劇団の長寿番組の仲間入りをすることになるだろう。これも一重に北野茨さんのお陰である。
北野さんの作品には、どの作品にも、「なぜ、今これを書かねばならないか」という強い問題意識があり、教育現場の矛盾への鋭い指摘と、子どもたちが内に秘めている、その矛盾を乗りこえる潜在的エネルギーヘの信頼に貫かれている。だから厳しい問題提起をしながらも、笑いでいっぱいの楽しめるものである.その笑いのモトは、極めて個性的な、相当に反抗的な、愛すぺき高校生群像であり、その悪童ともと親身になって向き合う、これまた、個性的な教師たち、親たちである。
そして、彼の作品のもう一つの特徴は、その「切ら口」のユニークさである |
劇作家・青年劇場顧問
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(社)日本劇団協議会顧問
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瓜生正美
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【収録作品】 |
ソグチビ・ソグノーの大冒険(84年)/キューソネコカミねこひげたてる(86年)/革命(87年)/戦の夜の夢−夏野夢子の冒険(87年)/ミイロタイマイ(88年)/こんにちは かぐや姫(88年)/こんにちは かぐや姫(女性版)(88年)/逆光少女(89年)/MILKu☆(89年)/GIVE ME FIVE(91年)/荒野へ・楽天舞踏団(91年) /一本杉は知っていた(92年)/春愁(92年)/いわば愛(92年)/ピーターパンなんか知らない(93年) /流星群(95年)/オフィリアなんか知らない(95年)/うるわしのカレーライス(95年)/サマーバレンタイン(96年)/青春南無妙法蓮華経(97年)/もし僕が君を傷つけたなら(99年) |