鞍工兵
    諸井條次 戯曲集

ISBN

4-89380-249-6
978-4-89380-249-1

諸井條次

定価

2,400円
初版
2000年11月25日
1950〜60年代、戦後日本の激動期に、「叙事と叙情の統一」という命題をかかげて、幾多の独特の劇世界を開花させた、諸井條次の幻の大作、待望の刊行!

1950年代、60年代にかけて(中略)、日本社会の激動期を反映して、多くの劇作家たちが時代の要請に応えたすぐれた沢山の戯曲を生み出した。諸井條次もその中の一人として(中略)健筆を振るった。(中略)極めて広大な構想力と人物形象の確かさをもち、現実の姿を写すにあたって、歴史的、社会的なうねりを凝縮した見事なリアリズムを築きあげた。(中略)「叙事と叙情の統一」という独特な劇作術が、作品の材料と主題によってさまざまな形をとって華開いた。
(刊行委員会「発刊にあたって」より)

天皇軍隊の欺瞞と腐敗をこれほど鋭く抉りだした作品を知らない。中国華中の戦線で新四軍(共産軍)と対峙した兵器勤務隊の兵士、将校たちの人間像は生きている。被差別部落出身の兵士を主役に登場させている点でも、わが国戯曲史上希有の貴重な作品である。(中略)一つの部隊を題材に、日本全体の縮図がここにあるような気がする。
演出家・関西芸術座 岩田直二(本書「発刊に寄せて」より)

収録3作品
鞍工兵[五幕六場]
野火[四幕]
児童劇パンの天国(ハムダーン・カルマットの物語)[四幕]

●あれから12年 村山知義[1964]
●劇作家・諸井條次 八田元夫[1961]
●諸井條次 劇作年譜
  
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