教育方法としてのドラマ 教育方法としてのドラマ

ISBN

978-4-89380-392-4

J・ニーランズ渡部 淳

定価

2,000円
初版
2009年12月25日
参加・獲得型学習によって学びを全身化し、従来の学びをダイナミックに変革すること、そのためにドラマを大いに活用すること、それが本書の提案である。
はじめに より

もくじ より

はじめに

第1章 "学びの全身化"にむけて
──アクティビティを体系化する視点=渡部 淳
1 はじめに──アクティビティの定義と課題
2 前史としての「あかり座」プロジェクト
3 「獲得型教育研究会」の研究活動
4 演劇的教育と演劇的技法──冨田博之の演劇教育論
5 異文化接触とクリエイティブ・ドラマティクスの受容
6 ドラマ・アクティビティの日本的展開──正 嘉昭を中心として
7 ドラマをめぐる状況変化
8 コア・アクティビティの検討
9 本章のまとめ

第2章 思い切って異なろうとすること
──イギリスのドラマ教育の現在=ニーランズ
1 思い切って異なろうとすること
2 古き良き時代?
3 時代が変わっているんじゃない?
4 時代は変わっている……人間的な見方
5 時代は変わっているんじゃない?(2)
6 どの子もかけがえのないもの:子どもたちのための改革
7 教授法、創造性と願望
8 古き良き時代?(2)
9 課題
10 ドラマを通じた学校改革:シェントン・スクール
11 この授業のつながりは適切なのだろうか?
   創造的な教え方は複数の目標につながる
12 ドラマの5つの中心目標:シェントン・スクール
13 ドラマ教育におけるキー・コンセプト
14 ドラマによる学校改革:シェントン・スクール
15 個々人の学習スキル・思考のスキルを養成する
   新カリキュラムの枠組み
16 踊る阿呆に見る阿呆

第3章 ドラマワークは教育を変えられるか
──獲得研春のセミナーでの対談=ニーランズ・渡部
1 二人の出会い
2 獲得型教育研究会のこと
3 「学びの扉を開く鍵」としての演劇的手法
4 表現活動の前提作りの大切さ
5 「あかり座」での試行
6 どうやってドラマの技法を身につけるのか
7 技法を統合する視点
8 ドラマワーク運用上の配慮
9 二人の共通性は?
10 学びのツールとしてのドラマ
11 学びの分水嶺
12 統合するものとしてのドラマ
13 振り返ること
14 演劇的知とは
15 都市の教育者
16 コア・アクティビティ

第4章 学習媒体としてのドラマ教育
──その構造化とファシリテーション=ニーランズ
1 ドラマと青少年演劇─共通点はなにか
2 演劇の4つの要素
3 ドラマと青少年演劇はどのように違うのか
4 役柄を演じること─違う自分をイメージする:身体化された学び
5 ドラマワークにおける行動的枠組み
6 コンベンション・アプローチでドラマワークを構造化する
7 ドラマ的アクションの種類
8 ドラマ・ワークショップをマネージメントする
9 教師が手に入れるもの
10 良いワークショップの要素

第5章 ドラマワークの構造とデザイン
──キジムナー・フェスタでの対談=ニーランズ・渡部
1 ドラマワークの開発にむけて
2 ドラマ教育への接近
3 コンベンションの役割
4 沖縄のワークショップをアメリカで
5 なぜ「詩的」アクションなのか
6 ストーリーの焦点化:ダンスについて
7 ドラマ教師の資質─柔軟性
8 ドラマワークを成立させるもの
9 学校教育でドラマを活用する目的は?

第6章 ファシリテーションはアートである
──教師の資質形成とドラマワーク=渡部 淳
はじめに─問題の所在
1 ドラマワークの成立要件
2 ドラマ:いじめグループによる脅し
3 ドラマワークの実際
4 「いじめ」ドラマのデザイン
5 ファシリテーションの工夫
6 考察−獲得型教師の資質形成への示唆

第7章 ドラマワークとコミュニケーションの変容
──獲得型学習モデルおよび教師研修モデルに関する試案=渡部 淳
はじめに
1 コミュニケーション空間としての特質
2 獲得型学習モデルの拡張
3 要素間のつながり
4 教師研修のモデル
5 実践の態様と今後の課題

終章 研究・実践の新しいステージへ=渡部 淳
1 理論と実践の深化──定例研究会と春のセミナー
2 ドラマワークの開発──宮崎充治実践の意義
3 現職教員の研修プログラム──東大和第三中学校の場合
4 「獲得研シリーズ」の刊行へ
5 今後に向けて

あとがき
初出一覧

ジョナサン・ニーランズ(Jonothan Neelands)

ウォーリック大学教授(ドラマ/シアター教育)
1952年生まれ。
ドラマ教育学の主任として教師や研究者の養成に携わる一方、ワークショップ・リーダーとして英国のみならず国際的に高い評価を得ている。ウォーリック大学とロイヤル・シェイクスピア・カンパニーが演劇教育の改善のために立ち上げたキャピタルセンター(CAPITAL Centre)の副ディレクターでもある。2007年には、ナショナル・ティーチング・フェローに選ばれている。
『ドラマワークを構造化する』など、テキスト等の出版物も多い

渡部 淳(わたなべ・じゅん) 

日本大学文理学部教授(教育内容・方法論)
1951年秋田県生まれ。
獲得型教育研究会代表。日韓米の高校生が演劇的発表を創り出す「グローバル・クラス」など、数々の実験的プログラムの運営に携わり、教育における演劇的手法の可能性を国際的な視野で研究している。
著書に、『国際感覚ってなんだろう』(岩波ジュニア新書)、『教育における演劇的知』(柏書房/第42回演劇教育賞・特別賞)、『教師 学びの演出家』(旬報社)、『大学生のための 知のスキル 表現のスキル』(東京図書)などがある。

  
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