ふるさと |
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自作を上演してくれた学校の一つが、津波の被害にあったことを知りました。それからずっと考えてきました。「自分に何かできることはないいだろうか。自分だからこそできることはないだろうか」と。そして、辿り着いたのが「ふるさと」です。元気になれる劇が創りたいと思いました。観た人が元気になれる劇、そして、それによって上演した人が元気になれる劇です。
「ふるさと」は古川里美(=ふるさと)が転校してきたことで、故郷を嫌いだった子どもたち全員が故郷を好きになる話です。内容に震災をイメージさせる部分はあえて入れませんでした。ただただ「あったかい劇になればいい」という思いを胸に創りました。
「ふるさと」は机とイスがあればどこでも上演できる劇です。教室でも体育館でも、校庭でも上演することが可能です。音響設備は必要ありません。場面転換では子どもたちが生で歌う「ふるさと」がバックミュージックとなります。
この劇は様々な上演形態で発表することができます。演劇部はもちろん、学級劇、学年・学校劇としても上演できます。 |
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アトム |
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「アトム」はテレビアニメ版で(当時はテレビ漫画と呼んでいた)アトムの放送が始まった1963年(昭和38年)の物語である。同時にテレビアニメ版でアトムが誕生する年として設定された2013年の物語でもある(原作の漫画での誕生は2003年)。
それはある意味において未来の物語であり、過去の物語でもあり、今の物語でもある。
ただしそれは2013年という意味での今ではない、2013年は「アトム」が上演される時には過去になるのだから。
「アトム」は50年前の歌謡曲で彩られた物語であり、「鉄腕アトム」のテーマソングが入口となり出口となる物語である。
「アトム」は中学3年生の物語であり、生徒会役員達の物語でもある。中学生の淡い恋の物語であり、淡くとも熱い恋の物語でもあり。そしてよくある友情の物語でもある。
私の全作品がそこを舞台にしている七つ森の物語であり、広島の物語であり、沖縄の物語でもある。
「アトム」はアトムを夢見た人たちの物語であり、アトムをいまだに夢見ている人たちの物語でもある。
そしてこれはアトムとアトムの妹ウランの物語であり、アトム=原子とその原子の一つであるウランの物語でもある。そう聞くと深刻そうだと思う割には、笑い笑いで創られた物語であり、人によってはただ笑っているうちに終わってしまう物語である。
そして「アトム」は、次のことを観客に問いかける物語である。
「もし今アトムが生まれたら、アトムはどこに行くのだろう」 |
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Happy Birthday |
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「タヌキ」が嫌いな? 転校生(武藤蘭)を演劇部に勧誘することになり、部長の歩美は、蘭に近づく。少しずつ蘭のことを知り始めると……。 |
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赤と青のレクイエム |
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山姥を外見で見分けるには難しい、だだ一つ見分ける方法が……。山姥伝説を題材に、平安時代の忍者の山姥をめぐる戦い。そして現代にも山姥の生き残りが現れ……。 |
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夏休み[戦後七十年改訂バージョン] |
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大場憲一が思い出の七つ森の入り口に立つと、現代と戦争前の昭和11年の夏休みがリンクして……。 |
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私の青空[『青空』戦後七十年バージョン] |
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台風接近で全校生徒に下校の指示。でも、明日は文化祭。帰ったら、展示は絶対間に合わない。F組の女生徒たちはそっと居残り、「戦争」の展示を急ぐ。
しかし台風はまさかの急接近。交通機関もストップ。「戦争」展示の教室に閉じこめられた生徒たちを、雷と停電が襲い…。 |
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ずっとそばにいるよ |
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今年こそ「全国大会」に行こうと意気込む、演劇部員たち。『勇気』という劇の練習中、去年と同じことを繰り返さないために、そして「全国」に行くために、演劇部の部長が一人の部員を外そうとする……。 |
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斉藤俊雄(さいとう としお) |
昭和35年生まれ。大学時代プロマジシャンと交流を持ち、学生マジシャン代表の一人としてステージに立ったこともある。劇の構成にマジック的な発想があるのはその影響である。昭和58年に中学校の教員となり、教員2年目から演劇部の顧問となる。翌年から創作を始め現在に至る。教科は英語。緑・花文化の認定試験1級。
ホームページ 『七つ森』 |
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本書収録作品紹介 コンクールや脚本賞の受賞など
*『ふるさと』
第12回全国中学校文化祭(全国大会)栃木大会参加作品
2012関東中学校演劇コンクール金賞・創作脚本賞
「中学生のドラマ10 絆─北から南から」(晩成書房)に収録
*『アトム』
第14回全国中学校文化祭(全国大会)沖縄大会参加作品
2014関東中学校演劇コンクール 金賞・創作脚本賞
「最新中学校創作脚本集2015」(晩成書房)に収録
*『Happy Birthday』
2015関東中学校演劇コンクール 銀賞
「最新中学校創作脚本集2016」(晩成書房)に収録
*『赤と青のレクイエム』
神奈川芸術祭第15回演劇脚本コンクール 最終選考に残る
※応募時の題名は『山姥伝説』
*『夏休み』[戦後七十年改訂バージョン]
第16回創作テレビ脚本公募(NHK後援)佳作一席受賞
第9回全国中学校文化祭(全国大会)神奈川大会参加作品
*『私の青空』[『青空』戦後七十年バージョン]
もととなる作品『青空』は2007年子どもが上演する劇 脚本募集(日本演劇教育連盟) 入選
2006関東中学校演劇コンクール 最優秀賞
*『ずっとそばにいるよ』
2016関東中学校演劇コンクール 銀賞・創作脚本賞
著作・DVD
*斉藤俊雄作品集 『夏休み〜シリーズ・七つ森の子どもたち』晩成書房
*斉藤俊雄作品集2 『七つ森〜シリーズ・七つ森の子どもたち』晩成書房
*Live 中学校演劇シリーズ 舞台『ふるさと』(上演・久喜市立久喜中学校演劇部)
ジャパンライム社
*部活動指導DVD『感情に台詞を乗せる!即興を活かした演劇指導術
〜久喜中演劇部・斉藤俊雄先生の取り組み〜』 ジャパンライム社
*部活動指導DVD『斉藤俊雄の私の脚本のつくりかた教えます
〜演出の可能性を引き出す! 学校演劇のための脚本づくり〜』 ジャパンライム社
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