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演劇だからこそ伝えられる思いがある。
演劇だからこそ表せる真実がある。
あの3・11を我が事として考え続けるために……
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あの日以来、学校現場で、演劇の最前線で、児童青少年演劇の舞台で、
3・11を描く数多くの劇が生まれ、上演されている。
3・11を真っ向から見つめて生みだされた注目の7編を掲載。 |
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シュレーディンガーの猫〜OUR LAST QUESTION |
佐藤雅通 作 |
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震災で避難してきた2人の生徒と、受け入れたクラスメート。それぞれの思いと葛藤を孕んだまま、卒業間際のお別れ会が始まった。 |
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2012年10月福島県立大沼高校演劇部初演
2013年日本演劇教育連盟脚本募集特選
2014年4月東京公演 |
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Final Fantasy for XI.III.MMXI |
いしいみちこ 作 |
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舞台は、震災により危険構造物となった北校舎。そこに迷い込んだ洋子とそのクラスメイトたちが、何もかもが元通りになるという「復活の呪文」を手に入れるための冒険に出発し、ホアン保安院やゲンシーロなどの県民を苦しめるモンスターたちと対決する。 |
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2011年8月福島県立いわき総合高校演劇部初演
2011年12月東京公演
2012年5月文部科学省講堂で上演 |
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もしイタ〜もし高校野球の女子マネージャーが青森の「イタコ」を呼んだら |
畑澤聖悟 作 |
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4月。青森市にある県立賽河高校。その野球部に女子マネージャー、シオリが入部してきます。彼女は1年生の頃、陸上部に入部しており、やり投げでインターハイに出場したほどの選手でしたが怪我のため現役を断念し、陸上部が廃部になったため、2年生のこの時期に野球部に入部したのです。自分が果たせなかった夢を野球部に仮託し、情熱を燃やすシオリでしたが、肝心の野球部は部員が8人しかおらず、やる気のかけらもありません。一念発起したシオリは部員勧誘に乗り出し、転校生カズサに目を留めます。カズサは被災地の学校からこの春転校してきたばかりでした。そして、前の学校では野球部に所属していたというのです。「野球は辞めた」と言いはるカズサをなんとか説得したシオリは「今度はちゃんとしたコーチに来て貰おう」と学校に掛け合います。しかしやってきたコーチはなんと、盲目の老婆、イタコでした。「ワの言うことを聞げば絶対甲子園さ行げる」と豪語する老婆。野球部はいったいどうなってしまうのでしょうか? |
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2011年9月青森県立青森中央高校演劇部初演
2012年8月高校演劇全国大会参加
以後全国で上演を継続中 |
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そこで、咲く花 |
矢野青史 作 |
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2011年4月29日、花のゴミ山の前に、福地愛子と北浜咲。咲は震災後、双浜農業高校から、福島農業高校へ転校してきたばかり。今日は、PTA総会、そして学校の職員へのカーネーションの販売日、明日は地元の人たちへの一般販売日。草花班の生徒たちは、放課後、学校の農場にある温室で忙しく動きまわっている。愛子と咲が、農場の片隅にある、花のゴミ山の前でサボっていると、双浜町からの避難者の女性に声を掛けられて……。 |
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指 |
瀬戸山美咲 作 |
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3月12日夜明け前。
海辺の町にたたずむ男と女。
視線の先にあるのはハンドルを強く握りしめる指。
男はその指を切ると言った。
最初にあったのは「ある現実の断片」。震災直後のある場所で実際に起きたこと。
私はその背景を、それをした人を、想像できなかった。だから、想像してみようと思った。
今日、もしも、よく知ったあの人が遠く感じられたとしても、絶望しない。
そのことだけが、私たちの未来を取り戻すと信じています。 |
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2011年11月企画公演「日本の問題」で初演(中野ザ・ポケット) |
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ふるさとを捨てる |
鈴江俊郎 作 |
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東日本大震災後の福島。原発事故のあと、西日本に移住しようとする兄。
弟も放射能の影響を恐れて、子育てをする土地を移そうと妻を説得しようと台所に呼び出した。
妻はそれを「心配しすぎが」「風評被害だ」と否定する。
実のところ、妻にはもっと大きな気がかりがあったのだ。 |
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2012年3月「SHINSAI Theaters for Japan」ニューヨークで英語版にて初演 |
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空の村号 |
篠原久美子 作 |
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夢がいっぱいで、SFで冒険でフィクションで、
ホントのことなんかひとっつも入っていない映画を、今、作る!
福島の美しい里山で暮らす酪農一家の長男、楠木空は小学5年生。
2011年3月11日に東日本を襲った大震災と原発事故で家族も村も大きく揺れ動くなか、
空は取材に来ている映画監督から、本当のことを映すのがドキュメンタリーであると教わる。
しかし、空は家族や友達の震災後の様子を見ていると、本当のことなんて面白くないと感じてしまう。
そこで空は夢に生きる男になることを決意し、本当のことがひとつも入っていない映画を撮ることにした。
タイトルは「宇宙海賊船・空号の冒険!」 |
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2012年8月初演、日本児童・青少年演劇劇団協同組合「震災後の演劇を考える合同公演」(沖縄)
斎田喬戯曲賞受賞 |
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