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劇場へ急げ!
めまぐるしい関西演劇界の30年を、九鬼葉子は、その荒波越えて漂流した。うねる海の出来事が、この一冊にフラッシュバックする。気づけば彼女は、決っして沈まぬタイタニック、その船首のニケだ。 |
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内藤裕敬
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オレンジルーム、ピッコロシアター、扇町ミュージアムスクエア、アートスペース無門館、アイホール…維新派、犯罪友の会、ダムタイプ、南河内万歳一座、劇団☆新感線、M.O.P.、太陽族、MONO、桃園会…
現代演劇の伴走者・九鬼葉子が綿密な取材としなやかな感性で描く、熱く、激しい、関西小劇場の過去〜現在そして未来ー。 |
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関西小劇場30年の熱闘●目次 |
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序章 1980年代以前
〜関西小劇場の黎明〜 |
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第1章 1980年代
〜関西小劇場演劇ブームの出発と興隆〜 |
1 阪急ファイブ・オレンジルーム |
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2 兵庫県立尼崎青少年創造劇場〜ピッコロシアター |
劇評
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兵庫県立ピッコロ劇団『モスラを待って』 |
兵庫県立ピッコロ劇団『蛍の光』 |
兵庫県立ピッコロ劇団『劇場版日本三文オペラ』 |
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3 扇町ミュージアムスクエア |
劇評
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第2回OMSプロデュース『ともだちが来た』 |
第4回OMSプロデュース『ここからは遠い国』 |
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4 近鉄劇場・小劇場 近鉄アート館 |
劇評
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戸川純一人芝居『マリィヴォロン』 |
劇団☆新感線『直撃!ドラゴンロック2』 |
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5 吹田市文化会館〜メイシアター |
劇評
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メイシアタープロデュース近松劇場『強いばかりが男じゃないといつか教えてくれたひと』 |
メイシアタープロデュース近松劇場『夢のひと』 |
メイシアタープロデュース『かもめ』 |
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6 アートスペース無門館 |
7 伊丹市立演劇ホール〜アイホール |
劇評
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アイホール+岩崎正裕共同製作『ルカ追走』 |
アイホール+小原延之共同製作『nine』 |
アイホール+岩崎正裕共同製作『フローレンスの庭』 |
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第2章 1990年代
〜若い力が新しい世界を切り開く〜 |
1 ウイングフィールド |
劇評
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遊劇体『海神別荘』 |
劇団犯罪友の会『手の紙』 |
劇団ジャブジャブサーキット『月光カノン』 |
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2 大阪市立芸術創造館と大阪演劇祭、大阪現代演劇祭 |
劇評
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桃園会『海亀が微笑うよ』 |
トリコ・Aプロデュース『夢魔』『孤児の処置』 |
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3 アトリエ劇研 |
劇評
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桃園会『熱帯夜』 |
昼ノ月『顔を見ないと忘れる』 |
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4 神戸アートビレッジセンター |
5 一心寺シアター倶楽 |
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6 應典院 |
劇評
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劇団犯罪友の会『のこり香』 |
伏兵コード『留鳥の根』 |
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第3章 2000年代
〜失われた劇場。状況との格闘〜 |
1 精華小劇場 |
劇評
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劇団 太陽族『S小学校の眠らない夜』 |
桃園会『浮標』 |
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2 ウルトラマーケット |
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3 インディペンデントシアター 1&2 |
劇評
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工藤俊作プロデュース『黄昏の犬たち』 |
南河内万歳一座『満月』 |
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4 京都芸術センター |
劇評
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『Jericho2』 |
KUNIO『エンジェルス・イン・アメリカ』 |
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第4章 OMS戯曲賞
〜演劇は時代をどう捉えたか〜 |
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第5章 関西現代演劇俳優賞
〜俳優は観客を幸せにする〜 |
1 関西現代演劇俳優賞について |
2 現代演技論研究会について |
3 受賞理由と演技についての考察 |
江口恵美/森本研典/南勝/金替康博/荒谷清水/工藤俊作/水沼健/生田朗子/亀岡寿行/内田淳子/風太郎/藤野節子/佳梯かこ/奥村泰彦/玉置稔/や乃えいじ/岩松高史/川本三吉/紀伊川淳/菊谷高広/はたもとようこ/原真/尾方宣久/川田陽子/武田操美/加納亮子/奇異保(保)/はしぐちしん/中田彩葉/大熊ねこ/岸部孝子/条あけみ/二口大学/F・ジャパン/亀井妙子/こやまあい/金城左岸/森川万里/秋月雁/村尾オサム/武田暁/戎屋海老/田中遊/今井佐知子/孫高宏/三浦隆志/土田英生/橋本健司/平井久美子 |
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第6章 「言葉の劇場」「劇の軌跡」
〜演劇はどのようにして作られるのか? 劇団稽古場密着ルポ〜 |
●「言葉の劇場」より |
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●「劇の軌跡」より |
メイシアタープロデュース『近松ゴシップ』 |
第5回OMSプロデュース『滝の茶屋のおじちゃん』 |
PM/飛ぶ教室『舟唄。霧の中を行くための』 |
劇団☆新感線『古田新太之丞・東海道五十三次地獄旅─踊れ!いんど屋敷』 |
南河内万歳一座『さらバイ』 |
桃園会『よぶには、とおい』 |
劇団犯罪友の会『一花のいたち』 |
維新派『キートン』前編 |
維新派『キートン』後編 |
くじら企画『サヨナフ』 |
劇団 太陽族『JAPANESE IDIOT』 |
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第7章 舞台の熱闘
〜劇評1995年〜2014年〜 |
1995年 |
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1996年 |
ダムタイプ『S/N』 |
唐組『模造石榴』(神戸被災地公演) |
南河内万歳一座『唇に聴いてみる』 |
劇団犯罪友の会『牡丹のゆくへ』 |
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1997年 |
劇団M.O.P.『KANOKO』 |
劇団犯罪友の会『椿と海峡』 |
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1998年 |
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1999年 |
あまがさき近松創造劇場『蜻蛉』 |
MONO『─初恋』 |
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2000年 |
桃園会『どこかの通りを突っ走って』 |
劇団☆新感線『阿修羅城の瞳』 |
199Q太陽族『街踏劇 ぼちぼちいこか』 |
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2001年 |
劇団態変『壺中一萬年祭2001』 |
ラックシステム『お祝い』 |
第6回OMSプロデュース『その鉄塔に男たちはいるという』 |
兵庫県立ピッコロ劇団『雨かしら』 |
桃園会『かえるでんち』 |
タイタスプロジェクト『のにさくはな』 |
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2002年 |
劇団犯罪友の会『あさがおの半鐘』 |
南船北馬一団『帰りたいうちに』 |
桃園会『blue film』 |
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2003年 |
MONO『チェーホフは笑いを教えてくれる』 |
京都ビエンナーレ2003『宇宙の旅、セミが鳴いて』 |
桃園会『深海魚』 |
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2006年 |
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2007年 |
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2008年 |
ニットキャップシアター『愛のテール』 |
下鴨車窓『旅行者』 |
PM/飛ぶ教室『きょうも恋唄』 |
遊劇体『山吹』 |
劇団M.O.P.『阿片と拳銃』 |
劇団 太陽族『往くも還るも』 |
劇団☆新感線『五右衛門ロック』 |
虚空旅団『冬のトマト』 |
維新派『呼吸機械』 |
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2009年 |
『グッドナイト スリイプタイト』 |
劇団☆新感線『蛮幽鬼』 |
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2010年 |
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2011年 |
劇団 太陽族『大阪マクベス』 |
『オダサク、わが友』 |
真夏の會『エダニク』 |
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2012年 |
下鴨車窓『小町風伝』 |
兵庫県立ピッコロ劇団・オフシアター『エレノア』 |
劇団☆新感線『シレンとラギ』 |
劇団 太陽族『それからの遠い国』 |
維新派『夕顔のはなしろきゆふぐれ』 |
新宿梁山泊『百年〜風の仲間たち』 |
極東退屈道場『タイムズ』 |
空晴『これまでの時間は』 |
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2013年 |
A級MissingLink『或いは魂の止まり木』 |
MONO『うぶな雲は空で迷う』 |
『レミング』 |
遊劇体『戀女房』 |
『象』 |
文学座『大空の虹を見ると私の心は躍る』 |
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2014年 |
MONO『のぞき穴、哀愁』 |
唐組『桃太郎の母』 |
劇団 太陽族『執行の七人』 |
劇団ジャブジャブサーキット『ディラックの花嫁』 |
くじら企画『夜、ナク、鳥』 |
清流劇場『IPHIGENIE』 |
第18回女性芸術劇場『姉妹たちよ』 |
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●「連なる閃光─無鉄砲集団南河内万歳一座30年史」
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第8章 30年の総括と、未来へ… |
1 民間から公共へ |
2 演劇を「高める」から「広げる」発想へ |
3 個人経営の小劇場、カフェの活況 |
4 他地域の劇場との連携 |
5 野外演劇の雄姿 |
6 公共ホール〜大・中劇場の動き |
7 未来への提言〜望まれる東京など他地域との交流、海外交流 |
8 演劇は何のためにあるのか |
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九鬼葉子(くき・ようこ) |
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1958年兵庫県神戸市生まれ。甲南女子大学文学部国文科卒業。情報誌「Q」「ぴあ関西版」編集部で演劇を担当後、演劇評論家になる。現在、大阪芸術大学短期大学部メディア・芸術学科准教授。関西の小劇場をはじめとする現代演劇の劇評、評論が多い。1980年代、阪急ファイブ・オレンジルームから始まった、関西小劇場演劇ブームと、それに続く新たな動きについて、30年以上取材を続ける。「アイプレス」(アイホール発行)、「劇の宇宙」(財団法人大阪都市協会発行)を通して、劇団稽古場密着ルポを10年間連載し、おもに関西の各劇団の方法論を取材。関西現代演劇俳優賞選考委員ほか。著書に『阪神大震災は演劇を変えるか』(共著、晩成書房、1995年)、『29歳の女たち』(リヨン社、1996年)。 |
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