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演劇作品における受動的主人公は可能か?──
演劇の主人公は劇的行動者であった──
受動の主人公はドラマを創り得たか──
宗教的に生きた作家に受動的主人公は造形できたか?──
三好十郎、田中千禾夫、遠藤周作、木下順二らを中心にして、
受動的演劇は可能かを問う── |
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受動の主人公は、可能か?■目次 |
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序章 受動的演劇への入口─外国演劇作品に見た受動の主人公 |
受動的主人公への起点─イギリスの劇作家、ウェスカー、ボルトとの出会い |
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第一章 日本における第二次大戦前の受動的演劇への考察
─劇作品と作者 |
岩野泡鳴「焔の舌」 |
中村吉蔵「牧師の家」 |
武者小路実篤「二十八歳の耶蘇」 |
芥川龍之介「暁」 |
倉田百三「出家とその弟子」 |
有島武郎「死の其の前後」 |
菊池 寛「敵討以上」 |
小山内薫「吉利支丹信長」 ・「ペテスダの池」 |
正宗白鳥「雲の彼方へ」 |
長田秀雄「澤野忠庵」 |
佐野天声「切支丹ころび」 |
木下杢太郎「和泉屋染物店」 |
久米正雄「三浦製糸工場主」 |
谷崎潤一郎「法成寺物語」 |
倉田百三「布施太子の入山」 |
有島武郎「聖餐」 |
菊池 寛「袈裟の良人」 |
高倉 輝「切支丹ころび」 |
藤森成吉「何が彼女にさうさせたか」 |
加藤道夫「天国泥棒」 |
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第二章 日本における戦後の受動的演劇への考察─劇作品と作者 |
三好十郎「その人を知らず」 |
椎名麟三「第三の証言」 |
田中千禾夫「肥前風土記」 |
田中澄江「がらしあ・細川夫人」 |
遠藤周作「黄金の国」 |
矢代静一「宮城野」 |
人見嘉久彦「津和野」 |
木下順二「子午線の祀り」 |
井上ひさし「珍訳聖書」 |
別役 実「あーぶくたった、にーたった」 |
三好十郎「冒した者」 |
椎名麟三「生きた心を」 |
田中千禾夫「マリアの首」 |
秋元松代「常陸坊海尊」 |
遠藤周作「薔薇の館」 |
矢代静一「漂流の果て」 |
木下順二「白い夜の宴」 |
有吉佐和子「華岡青洲の妻」 |
水上 勉「はなれ瞽女おりん」 |
北村 想「寿歌」 |
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閑話休題 「パトスの精神ということ」 大学院生に伝えたかった受動的教育 |
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第三章 番外でない番外─原点としての外国作品 |
「オイディプス王」(ソホクレス)の劇構造──受動のドラマとしての視点 |
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終章 受動的主人公を見つめたドラマの終章 |
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あとがき |
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初出一覧 |
引用戯曲出典 |
参考文献 |
著者紹介 |
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菊川徳之助(きくかわ・とくのすけ) |
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1940年京都生まれ。「新派喜劇」と名乗る大衆演劇の座長であった父(実は祖父)の影響で子供の頃から演劇に親しむ。同志社大学の演劇部に所属して、卒業後は劇団の養成所で訓練を受ける。仲間たちと劇団を創立するが、5年で解散。
実践から遠ざかり、ミニコミ誌や雑誌「新劇」、「京都新聞」などで劇評家として動く。1980年「京都演劇教室」の企画メンバーとなり、演技実習指導にあたる。1986年講座生と「創造集団アノニム」を創設。1989年(平成元年)から近畿大学の演劇芸能専攻設立時に教員、20年間勤務後2009年3月教授を定年退職。
現在、関西朗読コンテスト審査委員長。古典の日記念朗読コンテスト審査委員長。西日本劇作の会会長。東大阪中学・高校ワークショップ実行委員長。創造集団アノニムおよび地元劇団「シアター生駒」で演出・俳優。国際演劇評論家協会名誉会員。日本演劇学会会友。日本演出者協会会員。
【主な演出】▼「セチュアンの善人」(ベルトルト・ブレヒト作)自立劇団合同公演、1986年。▼「夢・桃中軒牛衛門の」(宮本研作)自立劇団合同公演、1992年。▼「鳥たちの舞うとき」(高木仁三郎原作・菊川脚本)福知山市民演劇、2011年。▼「神聖な焔」(サマセット・モーム作)京都西陣創造集団アノニム、2018年。
【主な出演作品・役】▼「恋愛論」(アムリン・アリョーシン作)ナイスミドル劇場、老弁護士役、1991年。▼「記者と事件」(アムリン・グレイ作)ナイスミドル劇場、事件役(1人20役)、1994年。▼「公園物語」(芳地隆介作)京都西陣創造集団アノニム、お巡りさん役、1996年
【主な著書】▼『実践的演劇の世界』1998年、昭和堂▼『関西戦後新劇史』(編集代表)2018年、晩成書房▼「初期作品に秘められたもの」 : 『革命伝説・宮本研の劇世界』(共著)2017年、社会評論社▼「演出家のある視点?「出発」の作劇術」 : 『つかこうへいの世界』(共著)2019年、社会評論社 |
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